BCGワクチン接種者はCOVID-19による死亡リスクが1/6となる可能性〜ただし成人のBCG接種は非推奨〜

BCGワクチンを接種している患者では非接種死亡率が1/6まで低下するかもしれないという報告が米国で上がっています。

査読前のペーパーなので信憑性は確かではありませんが、日本人の安心材料の一つにはなりそうです。

Differential COVID-19-attributable mortality and BCG vaccine use in countries

While mortality attributable to COVID-19 has devastated global health systems and economies, striking regional differences have been observed. The Bacille Calmette Guerin (BCG) vaccine has previously been shown to have non-specific protective effects on infections, as well as long-term efficacy against tuberculosis. Using publicly available data we built a simple log-linear regression model to assess the association of BCG use and COVID-19-attributable mortality per 1 million population after adjusting for confounders including country economic status (GDP per capita), and proportion of elderly among the population. The timing of country entry into the pandemic epidemiological trajectory was aligned by plotting time since the 100th reported case. Countries with economies classified as lower-middle-income, upper-middle-income and high-income countries (LMIC, UMIC, HIC) had median crude COVID-19 log-mortality of 0.4 (Interquartile Range (IQR) 0.1, 0.4), 0.7 (IQR 0.2, 2.2) and 5.5 (IQR 1.6, 13.9), respectively. COVID-19-attributable mortality among BCG-using countries was 5.8 times lower [95% CI 1.8-19.0] than in non BCG-using countries. Notwithstanding limitations due to testing constraints in LMICs, case ascertainment bias and a plausible rise of cases as countries progress along the epidemiological trajectory, these analyses provide intriguing observations that urgently warrant mobilization of resources for prospective randomized interventional studies and institution of systematic disease surveillance, particularly in LMICs.

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.01.20049478v1

This article is a preprint and has not been peer-reviewed [what does this mean?]. It reports new medical research that has yet to be evaluated and so should not be used to guide clinical practice.

論文タイトルの下に上記記載がある通り、この論文は査読を受ける前の第一報みたいなものということもあり信憑性としては確かではありません。

・BCGを接種している国のCOVID-19に起因する死亡率は、BCGを接種していない国の5.8倍となった

論文の概要はざっくりいうとこんな感じです。

BCGワクチンを接種していると死亡率が1/6になる可能性があるということはかなり大きな発見です。

BCGワクチンについて

問3.BCGってなんですか?

BCGは結核を予防するワクチンの通称であり、このワクチンを開発したフランスのパスツール研究所の研究者の名前を冠した菌:Bacille Calmette-Guerin(カルメットとゲランの菌)の頭文字をとったものです。
この菌は、本来牛に感染する牛型結核菌を時間をかけて弱めたものであり、1921年に初めて新生児に投与されました。以後、1924年には日本にも菌がもたらされ、わが国においても長い歴史があります。また、1965年には日本の菌(Tokyo 172 strain)からつくられたBCGワクチンがWHOの国際参照品に指定されています。

問4.BCGワクチンにはどのような効果がありますか?

BCGは結核を予防するために接種するワクチンです。その効果について、多くの文献を総合的に評価した結果、乳幼児期にBCGを接種することにより、結核の発症を52~74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度予防することができると報告されています(Colditz et al, 1995)。また、一度BCGワクチンを接種すれば、その効果は10~15年程度続くと考えられています。
日本の結核患者の発生率は米国の4倍程あるにも関わらず、小児に限ると米国の小児の患者の発生率を下回っており、その一因は米国で広く接種されていないBCG接種の効果ではないかと言われています。

問10.BCGワクチンの接種はいつ行えばよいですか?

平成24年度まで、BCGワクチンの接種は生後6ヵ月に至るまでに接種することとなっていましたが、平成25年度以降は生後1歳に至るまでの間に接種することと変更されました。 なお、標準的な接種は生後5ヵ月から8ヵ月の間に行うこととされています(ただし、地域における結核の発生状況等の事情を勘案する必要がある場合は、必ずしもこの通りではありません。)。

問12.私の自治体では、生後5~8ヵ月よりも早い時期にBCGワクチンを接種することが勧められていますが、何故ですか?

BCGワクチンの接種時期は、平成17年に4歳未満から6ヵ月未満に変更されましたが、これは乳幼児の結核予防効果を高めることが目的であり、接種時期が早められるとともに髄膜炎などの重大な乳幼児の結核は減りました。
標準的な接種期間は生後5~8ヵ月となっていますが、結核の発生状況により乳幼児が結核に罹るリスクは変わってきますので、地域の実情に応じ、それ以前に接種を行う場合もあります。お住まいの自治体からの案内に沿って、確実にBCGワクチン接種を受けることが重要です。

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/bcg/index.html

上記は厚生労働省よりの引用です。

BCGの目的は赤ちゃんの結核罹患を防ぐことにあります。

そのため、国内におけるBCGワクチンは出生数を元に製造しているため、仮にCOVID-19の予防に有効であったとしても我々大人が摂取することはできません。

有効期間は約15年ほどです。BCGの目的は、乳幼児の結核性髄膜炎と粟粒結核を予防することにあります。日本は結核の中蔓延国で、特に大都市では、東南アジア並みの罹患率ですからBCG接種をやめるわけにはいけません。ただし注意したい点は、青年や成人にBCGを打っても、肺結核の感染を予防する効果は認められていませんから不必要です。成人では、接種部位のケロイドのリスクも高まるしいわゆる疑陽性での接種は、局所反応が強くなりますので接種はしません。

http://www.st-sophia.jp/topics_naika/成人はbcgをしてはダメ?/

成人のBCGに関して調べてみると最もわかりやすく紹介しているクリニックがあったのでそこから抜粋しました。

そもそも成人にBCGに接種しても肺結核の予防効果はありません。

むしろ副作用の方が大きいのでリスクとベネフィットを鑑みるとリスクが勝つので推奨しないという結論になります。

BCG接種の有効性についての無作為対照試験によると,BCGは子どもの結核の特徴である血行性に散布した胸膜炎,粟粒結核などの重症 結核をよく防御することが知られている(Bull WHO.1972;46:371-385)が,過去に行われた野外試験の多重解析では,BCGワクチン接種は成人 に対する肺結核発病を予防する効果は完全ではないことも明らかとなった

https://jata.or.jp/rit/rj/0211bcg.htm

よりオフィシャルなソースとなると国立感染症研究所が編集している「第72回実験結核研究会シンポジウム BCG基礎研究の過去,現在,未来」にある上記の抜粋文。

つまり、現時点では大人の接種は想定されていないので我々が接種可能な供給は見込めません。

まずは赤ちゃんの接種が大前提です。

ADMEが未熟な赤ちゃんは我々成人のようにアビガンなどの薬剤の服用は安全性が保障されていないので奨められません。

昨今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が国内外で大きな問題となり、BCG ワ クチンによる予防効果を期待する声がありますが、日本ワクチン学会が示す見解 1) のよう に、いまだ科学的に実証されたものではありません

BCG ワクチンは、結核に対する予防ワクチンであり、日本では小児に対して予防接種法 に基づく定期接種が実施されています。定期接種の対象者は 0 歳児であり、結核性髄膜炎 や粟粒結核など低年齢小児で頻度の高い重症の結核を予防する有用性が最も高い2-5)とい う理由に基づいています。

したがって、世界各国でも新生児や乳児を対象に接種が行われており、成人や高齢者を対 象とした知見は十分ではありません。また、結核菌の既罹患者や BCG 菌に対する免疫を有 する者に接種した場合、強い接種局所反応などの副反応が出現する可能性があります6)。

以上のことより、BCG ワクチンを接種する優先対象は、定期接種の対象者である 0 歳児 であると日本小児科学会は考えます。また、BCG ワクチンの供給量には限りがあります。 これまでのエビデンスに基づいて最も接種が優先される 0 歳児に BCG ワクチンの供給問 題が生じないよう、ご賢察をよろしくお願い申し上げます。

http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20200406_BCG.pdf

今回の報告を受け、日本小児科学会より医師に対して乳児へのBCG優先接種をするように声明が出されています。

今回の研究結果が正確だったとしても成人向けのBCG接種が可能になるまで数年単位での年月を要することになります。

まずは本当にBCGがCOVID-19の予防につながるのか治験にて実証する必要がありますね。

海外では結核が根絶されたこともあり、BCGの積極接種がなされなくなったという背景もあって死亡率の低い日本と比較するにあたってBCGの接種歴が着眼点の一つとなっているのでしょう。

とはいってもBCGの有効期間は15年程度しかないので我々成人は接種していないのと同じようなものなので別の要因が大きい気もします。

結核に対しては15年というだけで我々の免疫系等にSARS-Cov-2の対抗となる機能が獲得されているのでしょうか。

これからの検証に注目ですね。

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