こんにちは、Yotchanです。
本日はBenQコーポレーション様より提供いただき、M1/M2 MacBook Airでも4K 60Hz出力でトリプルディスプレイ環境を構築できるお化けUSBドッキングステーション『beCreatus DP1300』を体験したので紹介したいと思います。
この製品でDisplayLink対応のUSBドッキングステーションは3製品目なので価格に見合う価値があるのか検証してみました。
BenQ beCreatus DP1310とは
BenQ『beCreatus DP1310』は究極のデスク環境を構築することができるUSBドッキングステーションです。
デュアル4K 60Hzに対応している製品ですら選択肢が少ない中でトリプル4K 60Hz出力にも対応しているブロガーやデスクワーカーには夢のような製品です。
DisplayLinkを搭載しているので通常は1枚の外部ディスプレイにしか出力することができないM1/M2チップ搭載のMacBook Airでも利用できるのでパソコンの種類を選ばない点もいいですね。
BenQ beCreatus DP1310の使用レビュー
外観と付属品
『DP1310』の外観と付属品はこんな感じです。
パソコン本体との接続に使用するUSB Type-Cケーブルや8K対応のHDMIケーブルが付属しています。
各種端子のスペック
各ポートの使用はそれぞれこのようになっています。
HDMI 2.1ポートでは8K 60Hzや4K 120 Hz出力に対応しており、トリプルディスプレイ出力でも各ポート4K 60Hz出力が可能というハイスペックな仕様となっています。
また、各種USB端子の出力も高いだけでなくデータ転送速度も高速という実用性の高さも注目ポイント。
背面に配置されているパソコンとの接続用のUSB-Cポートは100W PD充電に対応し、前面に配置されているUSB-C端子も36Wの出力があることからデスクの上のスマホやタブレットの充電用として活用することもできるでしょう。
M1 MacBook Airでも4K 60Hz出力でトリプルディスプレイ環境を実現
『DP1310』の最大の特徴はなんといっても通常は一枚の外部ディスプレイにしか出力することができないM1 MacBook Airであってもトリプルディスプレイ出力ができる点です。
後ほど詳細に比較しますが、DisplayLink対応のUSBドッキングステーションはほとんどが2台の外部ディスプレイまでしかサポートしていないので3台の画面に出力できる点は大きな差別化ポイントです。
8GB RAMではトリプルディスプレイは厳しいかも
トリプルディスプレイ環境でのブログ執筆は従来のデュアルディスプレイ環境と比較してウィンドウの並べ替えをしなくても問題ないスペースがあるので非常に快適で感動しました。
しかし、私のMacBook Airでは実用面で課題が感じられたので参考までに共有します。
3台の4Kディスプレイへの出力はRAMを大量に消費するようで8GB RAMモデルでは文字入力がもっさりしてしまう弊害に悩まされました。
CPUの処理にはまだまだ余裕があるのでトリプルディスプレイ環境を構築したい人は『DP1310』を購入する前にMacをRAMが16GB以上のモデルに買い替えることをオススメします。
USBポートが少ない点はネック
ハイスペックな『DP1310』本体のウィークポイントはUSB端子が少なすぎる点です。
『DP1310』にはUSBポートが5つしかないため、最低でも5つのUSB-A端子が必須の私には物足りません。
結局、周辺機器接続用のUSBドッキングステーションを別途接続しながらの運用になっているためデスクのスリム化には寄与されませんでした。
価格を考えるともう少しUSBポートは欲しかったですね。
USBポートの転送速度が速い
USBポート数が少ない点は残念でしたが、SDカードリーダー経由での読み込み速度は圧巻の速さでした。
今まで私が愛用していたDisplayLink対応USBドッキングステーション『WL-UG69DK1』のUSB3.0ポートでは400枚の写真が入ったSDカードの読み込みに約18秒かかったのに対して『DP1310』では1.5倍高速な約12秒という結果でした。
10Gbpsの高速データ転送対応は伊達ではないと実感しました。
各カメラで撮影した写真のバックアップ速度が速くなるメリットは大きいですね。
ワンタッチで画面切り替えにも対応
『DP1310』は前面のボタンを押すことでHDMI 2.1ポートに接続している機器との表示を切り替えることができます。
複数台のパソコンやゲームで同じディスプレイを使用している人には便利な機能ですね。
マルチポイント非対応のMagic TrackPadを運用している兼ね合いで1台のMacでしか使えないデスク環境ということもあって私にはこの機能の利用機会はなさそうです。
他のDisplayLink対応USBドッキングステーションとの使い勝手の違い
BenQ beCreatus | WAVLINK | QUUGE | |
モデル名 | 『DP1310』 | 『WL-UG69DK1』 | QUUGE |
ポート数 | 13-in-1 | 12-in-1 | 10-in-1 |
最大出力ディスプレイ数 | 3(HDMI×2 , DP) | 2(HDMI or DP) | 2(HDMI or DP) |
解像度/リフレッシュレート | トリプル4K 60Hz | デュアル4K 60Hz | デュアル4K 60Hz |
PD充電機能 | 100W+36W | なし | 85W |
USBポート数 | USB-A(USB 3.2 Gen2,10Gbps)×3 USB-C(USB3.2 Gen2,10Gbps)×1 USB-A(USB2.0マウス/キーボード用)×2 | USB3.0(5Gbps)×6 | USB-A(USB3.2, Gen1,5Gbps)×2 USB-C(USB3.2, Gen1,5Gbps)×1 |
Ethernet | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps |
画面切り替え機能 | あり | なし | なし |
定価 | 48,900円 | 17,900円 | 14,399円 |
私は3年前からDisplayLink対応のWAVLINKのUSBドッキングステーション『WL-UG69DK1』でM1 MacBook Airでデュアルディスプレイ環境を構築して作業を行なっていました。
また、つい3ヶ月前にもサブデスク用に『QUUGE 10-in-1 ドックステーション』という製品を購入したので『DP1310』は私にとって3台目のDisplayLink対応USBドックです。
ここからの項ではDisplayLink対応ドックの使用歴が長い私から見た『DP1310』のメリット・デメリットについて触れていきたいと思います。
WAVLINKとQUUGEは4K 60Hzでのデュアルディスプレイ出力に対応している製品なので基本はこれらのいずれかを選べば間違いありません。
『DP1310』に他社製品と2〜3倍の価格差の価値を感じられるのかチェックしていきましょう。
コンパクトな筐体はGood
手持ちのUSBドッキングステーションで大きさを比べて見るとデスクの設置面積という観点では『DP1310』はコンパクトで邪魔にならない点が好印象でした。
また、縦置きに対応している製品は『DP1310』のみということで置き場所の自由度の高さも便利だと感じました。
しかし、WAVLINKは大きいかわりにUSB-Aポートが背面と合わせて6つあるのでUSBドッキングステーションとしての使い勝手がいい点は考慮すべきポイントです。
3台のディスプレイ出力はDP1310の特権
『DP1310』と他のDisplayLink対応USBドッキングステーションの最大の差別化ポイントは3台の外部ディスプレイへ4K 60Hz出力ができる点です。
WAVLINKとQUUGEのUSBドッキングステーションでも4K 60Hzでのデュアルディスプレイ出力を行うことはできるので十分ではありますが、トリプルディスプレイ環境を構築したいなら『DP1310』一択です。
3枚の外部ディスプレイに出力できるようになったことで縦置きディスプレイを追加できた恩恵は大きかったです。
通常のディスプレイと比べると公式サイトなどでの情報量が格段に違いますよね。
写真や動画は縦置きでは小さくなってしまうので基本は横長2枚。縦置きディスプレイはあくまでもプラスα的な3枚目の立ち位置でしかありません。
4K 120Hz出力に対応してるけど・・・。
トリプルディスプレイ出力と同じぐらい他社製品と差別化されている点は4K 120Hz出力に対応していることですが、仕様をよく見るとかなり場面が限られる印象です。
パソコンと『DP1310』の接続はUSB-Cしかできないことを考えるとパソコンでは実質4K 60Hz出力に留まることになります。
PS5などのゲーム機とディスプレイを接続する際に『DP1310』を経由することでパソコンとの画面切り替えをワンタッチで行えることに魅力を感じなければ120Hz出力の恩恵を感じることはできないでしょう。
4K 120Hzというよりは画面切り替え機能に意義を見出せるかが『DP1310』を選ぶポイントになるかもしれませんね。
100W PD充電+36W PD充電に対応
『DP1310』の高級機ならではの付加価値はパソコン本体へ100Wで給電できるだけでなく他のデバイスも36WのPD充電が行える点でしょう。
私が愛用していたQUUGEは85WでのPD充電のみ、WAVLINKのUSBドッキングステーションはそもそもパソコンへの給電機能がありませんでした。
36WのPD充電の必要性の有無は各人の環境や価値観によりますが、少なくともゲーミングノートPCやMacBook Proのような100W以上の出力が必要なハイスペックマシンユーザーは『DP1310』を選んだほうが良いでしょう。
写真や動画を扱うならデータ転送速度や通信速度の恩恵は大きい
『DP1310』で明確に他の製品よりも優れている点はデータ転送速度や通信速度が速い点にあると感じています。
ディスプレイの出力枚数に関しては安価なDisplayLink対応製品であっても複数接続すれば最大6台まで出力することができますが、転送速度や通信速度については高級機を購入しない限り手に入らないスペックです。
写真や動画など日常的に大容量のファイルを扱うユーザーであれば『DP1310』に金額に見合う価値を感じることができるでしょう。
そもそも『DP1310』はMacBook Airを使っているライトユーザー向けの製品ではありません。「全部盛り」を求めるユーザー以外にはオーバースペックなUSBドッキングステーションです。
ブログしか書かないライトユーザーなのにトリプルディスプレイ環境が快適すぎてMacの買い替えを真剣に悩むハメになりました・・・。
BenQ beCreatus DP1310は究極のUSBドッキングステーション
BenQ DP1310のメリット
- 4K 60Hz トリプルディスプレイ出力に対応
- HDMI 2.1を採用
- USBポートの転送速度が速い
- 1Gbps Ethernet端子搭載
- 画面切り替え機能搭載
- 100W+36WPD充電に対応
BenQ DP1310のデメリット
- USBポートの数が少ない
BenQ『beCreatus DP1310』を体験した結果、Macを買い替えたくなるほど快適な製品であると感じました。
他のDisplayLink対応USBドッキングステーションと比較すると驚くほど高価な製品ではありますが、それに見合うだけのスペックを備えていることを実感することができました。
クリエイターや高負荷な作業を行う人、ハイスペックなマシンを使用している人は『DP1310』を選んでおけば間違いありません。
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