iPad Proに接続可能なトラックパッド内蔵のキーボードケースは2つあります。
それはMagic KeyboardとBrydge Pro+。
本日はこの2つのどちらを選ぶべきか考えていきたいと思います。
Brydge Pro+とは
Brydge Pro+は海外にて販売されているトラックパッド内蔵のキーボードケースです。
トラックパッドのないBrydge自体はApple公式でiPad mini用のものが販売されているのでご存知の方もなかにはいらっしゃるかもしれません。
特徴は以下の三点。
- トラックパッド内蔵
- シザー式キーボード
- バックライト付き
キーボード自体はMagic Keyboardと似たような使用です。
違う点があるとすればSmart ConnectorでのペアリングではなくBluethoothでのペアリングということ。
公式での動作動画はこんな感じです。
私は12.9インチiPad Pro用に購入しました。
Magic Keyboardとは
Magic Keyboardは今年3月に発表された第四世代iPad Proと時を同じくして現れたApple初のトラックパッド内蔵のキーボードケースです。
Smart Keyboard Folioよりもトラックパッドがある分格段に使いやすくなりましたが、その分価格も化物級。
11インチで税込で3.5万円と無印iPadが買えてしまうトンデモ価格。
しかし、高いだけあって流石のクオリティで遅延などは一切なく、ペアリングも簡単。
おそらくは今年で最も買ってよかったガジェットになるのではないかと思うほど素晴らしい製品です。
それぞれの製品の特徴
現在市販されている二種類のトラックパッド内蔵キーボードの概要はなんとく理解できましたでしょうか?
それでは、実際に私が使用してみて感じたそれぞれの製品の特徴をみていきたいと思います。
Magic Keyboard
製品の発表時点からかなり話題に上がっていたMagic Keyboard。
この製品のメリットは以下の四点です。
- トラックパッドの精度が良い
- Smart Connectorでのペアリング
- 好みのキー配列を選べる
- 純正という安心感
流石は純正品ということでトラックパッドの精度が非常に良いです。
MacBookやMagic TrackPadで利用できるジェスチャー操作には全て対応しています。
ペアリングもケースを装着するだけで完了し、キーボードの電力はiPadから供給されるため充電の手間がありません。
キーボードの言語は7種類から選択可能なため、好みのキーボードを選択できます。
私はUKキーボードを選択。
JISとは違ってアルファベットのみのシンプルなキー面が美しい。
次に、Magic Keyboardのデメリットに触れていきたいと思います。
- 高い
- Apple Penncilが使えない
Magic Keybaordのデメリットはやはりその価格。
11インチが税込3.5万円、12.9インチとなると税込4.2万円という非常に高額な価格。
また、キーボードの最大角度が浅いためMagic Keyboardを装着してのApple Pencilの使用はできません。
Brydge Pro+
私が使用している上で感じたBrydge Pro+のメリットは以下の6点。
- Bluetooth接続
- 画面の角度の自由さ
- 膝の上での安定感
- デザイン
- キーボードショートカット
- 安い
Brydge Pro+は外装に至るまで全てアルミで作られているため、Magic Keyboardと比較して剛性に優れています。
そのため、膝の上での安定感が抜群に良いことが挙げられます。
iPad Proと多少色味は異なりますが、同じアルミということでデザイン的には素晴らしいですし装着時の外観はMacBook Proそのもの。
画面の角度はMagic Keyboardよりも自由度の高い0~180°の間で無段階で調整可能なところも特徴。
Apple Pencilは角度を深くすれば使えることは使えますが、キーボードが邪魔なのでBrydgeを外した方が便利ですね。
Brydge Pro+を実用している上で最も便利であると思う点はBluethooth接続である点。
Magic Keyboardと違って分離した状態でも使用できるのでベッドの上での作業かかなり捗ります。
モニターアームと組み合わせると最強です。
また、Brydge Pro+には画面ロックや音楽・動画の再生停止ボタンなどMagic Keyboardにはないキーボードショートカットが実装されている点も特徴です。
これが思っていたよりも便利で、画面に手を伸ばすことなく全ての操作がBrydge Pro+で完結します。
そして、最後のメリットは価格が安い点。
11 インチ用は$199.99、12.9インチ用は$229.99とMagic Keyboardよりもかなり安い価格設定。
だいたい21000円と24000円ぐらいになるんでしょうか。
海外でしか販売されていないので、輸入に概ね4〜5000円程度のコストが上乗せされますが、それでもMagic Keyboardよりは1万円近く安いという素晴らしさ。
次に、Brydge Pro+のデメリットを見ていきましょう。
- US配列のみ
- 入手難易度が高い
- トラックパッドの精度で劣る
- ジェスチャー操作ができない
Brydge Pro+のデメリットは入手関連とトラックパッド関連の四点です。
まず、入手関連ですが海外でしか販売されていないため入手難易度は高くなります。
日本国内からの購入に際してはFedexなどの業者を通す必要があります。
私は運よくメルカリで購入することができたので楽に入手することができました。
また、海外製品ということでキーボードがUS配列しかない点も注意が必要です。
残念ながら私が愛してやまないUKキーボードではありませんでしたが、USも基本的には変わらないので満足です。
極論、JISでなければそれで良いかなといった感じ。
次に、実用上で最も影響のあるトラックパッドの精度に関して。
トラックパッドの精度はMagic Keyboardと比較すると圧倒的に劣るといっても過言ではありません。
トラックパッドの感度はMagic KeyboardやMagic TrackPadのそれと比較すると低く、それらの時よりも少し長くトラックパッドに触れ続ける必要があります。
Macのトラックパッドに長く触れた後にBrydge Pro+を操作するとカーソル移動やスクロールがうまくできないことが多々あります。
指でしっかりと触れながら、Apple製トラックパッドよりもゆっくり動かすことで思った通りの操作ができるようになります。
長時間使って慣れれば問題ないのですが、最初の印象は「最悪」。
操作に練度を要するトラックパッドです。
また、トラックパッドでのジェスチャー操作ができない点も注意が必要です。
現状では対応しているジェスチャー操作が二本指でのスクロールのみとなっており、ページ戻りやアプリの切り替えには非対応です。
これらの操作を行うためには、iPadOSでの設定やキーボードショートカットを習得する必要があります。
トラックパッドの精度に関しては今後改善の余地があり、Brydge Pro+のファームウェアは更新され続けています。
ファームウェアアップデートによりiPadOS 13.4に最適化されればかなり使い勝手の良い製品になることは間違いありません。
元々二本指でのスクロールにも対応していなかったので確実に進化はしています
両製品の実用上での違い
Magic KeyboardとBrydge Pro+の特徴はそれぞれ上述の通りです。
両者を日常的に使用していると、特に違いはありません。
トラックパッドの精度を比較してしまえばBrydge Pro+の精度は劣ってしまいますが、慣れてしまえばそこまでストレスなく使用することができます。
キーボードショートカットでのページ戻りもキーの位置が近いので片手でできるのでスムーズに行えます。
重さに関してはそもそもiPadのサイズが違うので一概には言えませんが、カタログスペック上では気になるほどの差はありません。
私の使い方ではキーボードを分離しても使えるBrydge Pro+の方がお気に入り。
やはりベッドの上でモニターアームで好きな高さに調整して使用できるのはかなり楽。
この使い方はMacBook Airなどではできない、まさに「タブレットパソコン」ならではのメリットであると言えるでしょう。
問題は入手難易度とキーボードの言語でしょうか。
日常的にUKキーボードを使用している私にはとりたてて違和感はありませんが、JISを使い慣れている人はEnterキーになじめないかもしれません。
Enterを押すときに「 | 」キーを押してしまう事故が続発します。
一番左のUKキーボードはUSキーボードと違ってEnterキーがJISに近いことが特徴です。
JISと特に違和感のないキーでありながらアルファベットのみのシンプルなキー面のUKキーボードは個人的にベスト。
USキーボードでもいいんですけどね。
まとめ
以上がMagic KeyboardとBrydge Pro+の比較レビューでした。
キーボードの完成度がファームウェアアップデートによって高まることを楽しめる人はBrydge Pro+はおすすめの一品です。
逆に、最初から完璧な製品を求める人にとっては純正なMagic Keyboardはベスト。
金額も結構違うのでしっかりと検討して購入してみましょう。
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